季節や時間、天候だけでなくレンズの種類によっても撮れる写真は変わってきます。

数々の作例からこのような写真を撮ってほしいとお伝えいただけますと、より撮影時のイメージが湧きますので、是非遠慮なく仰っていただければと思います。

季節毎の撮影例

季節感を感じる写真は、後から見返した時もその時の情景を思い出しやすく、日常の中にも変化を感じることができて良いですよね。

いつもの散歩道でも、季節毎にこんな写真が撮れるんだよという例をお見せしたいと思います。

春は何と言ってもお花と一緒に撮るのが楽しい季節

春は毎月違う花が咲きますし、お散歩も快適にできる気温なのでテンションが上がります!

明るい色合いで爽やかな写真を撮りたくなりますよね。

桜並木を走る姿を撮ったり

3月の終わりから4月にかけてはやっぱり桜ですよね!
満開の状態もですが、散った花びらが綺麗な状態なのは数日も無いので、撮影チャンスを逃さないことが重要です。

足元の花びらを写すのも綺麗です

4月の中旬から5月にかけたはツツジが綺麗に咲いてきます。至る所に咲いていますが、特に花が密集して綺麗な場所を探しながら散歩すると楽しいですよ。

そして、4月の終わり頃にちょうど夕日とツツジを一緒に撮影できるポイントが有ります。自身も毎年意識するお勧めポイントです。

薄い色のツツジが混ざって綺麗
太陽光が霞んで眩しすぎない最高のコンディション

! 注意 ! 
ツツジは種類によって有毒なものもあるようです。このような街路樹に生えているものだと可能性は低そうですが、用心する必要はあります。

それ以外にも、4月~5月には道端に沢山の野花が咲いています。

花の色味だけをボケで写すという発想も(4月中旬撮影)
花だけでなく、影も綺麗に落ちていました(5月末撮影)
花に囲まれているように撮影(5月末撮影)

梅雨は紫陽花を長く楽しめます(ただし毒に注意!)

梅雨は雨で散歩も億劫になりがちですが、紫陽花や雨上がりの情景を楽しむことができます。
紫陽花は割と長く咲いている印象ですので、じっくりとベストな日を狙って撮ることが可能です。

! 注意 ! 
紫陽花は犬にとって有毒です。葉や花を食べる心配がない子しか近づけて撮影できません。

画面中に紫陽花を配置
水滴が花に付いていると更に季節感が増します

ただし、雨上がりはワンちゃんの脚やお腹が汚れてしまう覚悟が必要になります(笑)

夏は自然と朝焼けや夕焼けでの撮影になります

夏の日中は暑くて散歩ができず、どうしても朝や夕方の散歩になりますので、結果として自然と朝焼けや夕焼けの写真が撮りやすくなります。

淡い空(8月上旬18時頃撮影)

夏はこのような淡くて優しい綺麗な夕焼け空を撮れる日が多い印象です。
また台風前も印象的な空と撮れる確率が高そうです。

台風前日(9月上旬18時過ぎ撮影)

秋は綺麗な西日と定番の紅葉やハロウィンを楽しみましょう

ようやく涼しくなってくる9月中旬から10月頃には、16時以降に住宅街の歩道に金色の綺麗な西日が差し込んでくるようになります。

西日に透けて毛並みが光り輝くワンコを撮ることができますよ。

9月下旬17時頃撮影
9月下旬17時頃撮影
9月下旬17時頃撮影

紅葉が本格的に綺麗になってくるのは11月くらいからです。
それまでは秋らしさを感じる植物やハロウィンの衣装なんかで楽しみましょう。

10月中旬撮影
10月末撮影
10月末撮影

そして11月。ようやく紅葉を思い切り堪能できます。

11月上旬撮影 ※道路へ行かないよう画面外で人が待機して撮っています。
地面の落ち葉だけでも季節感が出ます

もう少し経った11月下旬から12月にかけてのイチョウの黄葉も最高です。

12月中旬撮影
11月下旬撮影
11月下旬撮影
11月下旬撮影

また、10月下旬から12月くらいにかけて更に西日が差し込んでくる位置が若干変わり、公園横の原っぱの方に綺麗に西日が差したり、いつも夕焼けを撮影する場所でもちょうど真後ろに太陽が沈むようになります。
これを利用したシルエット撮影も楽しいですよ。

11月中旬16時頃撮影
10月下旬16時過ぎ撮影
10月下旬16時過ぎ撮影

冬はイルミネーション。滅多に降らない雪が降ったら迷わず撮影!

12月中旬撮影

夜景にも強い大きなセンサーを搭載したカメラなら、暗くても綺麗かつイルミネーションを大きく丸くぼかして撮影することができます。

12月中旬撮影

また枯れてきた草の上を歩いているだけでも、季節感を感じられますし、草が短くて顔がよく見えるので意外とお勧めできます。

本当にトナカイみたい(笑)
12月下旬撮影

そして12月以降は公園付近に西日が綺麗に当たるようになります。

優しい表情が大好きな1枚(12月中旬16時頃撮影)

更に道端の樹木だけ写るように切り取って撮ることで、いつもの散歩道に見えない写真となります。

12月下旬15時半過ぎ撮影
12月下旬15時半過ぎ撮影

また、現在は残念ながら状況が変わってしまいましたが、1月にはこのような影絵を楽しめる場所もありました。

季節によって影が落ちる場所が変わってしまうので、期間限定の楽しみの1つでした。

1月中旬15時半頃撮影
1月下旬15時半頃撮影

そして冬といえば雪ですね。積もるくらい降ることはあまり無い地域なので、折角降ったなら逃さず撮りたいものです。

2022年撮影。2023年は積もりませんでしたね

ちなみに雪が積もった場合は地面が白くなるので、割と夜になっても意外と明るくて写真は撮りやすいと思います。


天気による撮影の楽しみ方

天気が良い程写真は撮りやすいと思われるかもしれませんが、実は天気が良すぎるとワンちゃんの目がショボショボになってしまい、可愛い表情が撮りづらくなってしまいます。

日陰ではおめめパッチリの子が…
直接日が当たるとこんな表情に

なのでワンちゃんをかわいく高画質で撮る場合は、個人的には薄曇りの日が一番お勧めです(日陰や曇り過ぎて暗い空ですと、多少ではありますが画質に影響してきます)。

曇った日は空と一緒に写すこともないと思うので、とにかくワンちゃんを主役としてシンプルに綺麗に写すことをお勧めします。

逆に天気が良くて日差しが強すぎる日は、光の明暗差を楽しんで、影も一緒に写したり、モノクロ写真にしてみたりと遊び心を持って撮影してみることもお勧めします。

シルエット遊び
影を主役に
光と影の明暗差を楽しむ
影をぐいーんと伸ばして遊ぶ
モノクロでシブく
赤色だけを残して秋を強調
個人的にモノクロが上手くはまってお気に入りの1枚

このような感じで雰囲気を変えた写真も偶には良いと思います。
色の情報が減ることで、視線や表情が際立ちます。

ちなみにモノクロ写真はカラーで撮ったデータを撮影後に調整していますので、元となるデータを保持しておけば、いつでもカラーに戻すことも可能です。

そして個人的に大好きな雨上がりには、水溜りによるリフレクション狙いがお勧めです。
水はけの良くない道があり、長時間水溜りが残るので、雨上がりの度に沢山の写真を撮りに行っています。

鏡のように反射
水飛沫を上げた瞬間
揺らいだ水面も綺麗


レンズによって撮れる写真は大きく変わってきます

当方が使用しているカメラはレンズ交換式なのですが、レンズ選択によって背景が写る範囲やボケる量が大きく違ってきます。

簡単に言うと広角レンズ(焦点距離が短い)になる程、背景は広く写り、ボケは小さくなります。
逆に望遠レンズ(焦点距離が長い)になる程背景は狭く、ボケが大きくなります。

ショートコースでは、基本的にレンズを1本しか使用しないので、撮りたい写真の具体的なイメージを事前に伝えていただけますと、それに適したレンズを選んで持っていきます。またレンズを指定していただき撮影することも可能です。

広角レンズは難易度高めだけれど上手くはまると気持ちいい

広角レンズは前述のとおり背景が広く写ってしまうので余計なもの(通行人や人工物等)が写り込みやすく、ボケる量も少なくて誤魔化しが効きづらいので、正直日常の散歩撮影には適さないことの方が多いと思っています。

旅行先等で広大な景色と一緒に撮る時なんかには最高なんですけどね。

ですが、気持ちの良い青空の日なんかには、普段の散歩でもバチっとはまる写真が撮れる時があります。

広角レンズ(24mm)で撮影

この爽快感は広角レンズならではだと思います。
また、広角レンズは奥行き感が強調されるので、背景がどこまでも続いているかのように見せる事も得意です。

超広角レンズ(18mm)で撮影

ただし、広角レンズはパースが効く(画面中央に向かって四隅が引き伸ばされて見える)という特徴があるので、ワンちゃんの耳や脚が不自然に伸びて歪んで写ってしまう時があります。

ですがそれを逆手にとって、昔流行った鼻デカ写真を撮ることができたりもします。

鼻デカでいつもとは違う表情に

後は撮影対象と距離を置かずに広く写すことができるので、多頭数のワンちゃんや飼い主様と一緒に写す時なんかでも広角レンズを使用することがあります。

また、広角レンズは前述のとおりボケる量が少なくなりますが、ワンちゃんとかなり近づいて撮影すれば、これくらいのボケ量にはなります。

広角レンズ(24mm)で撮影。凄い笑ってる!

標準レンズは万能でどんな場面でも大活躍

一般的に標準レンズというと焦点距離35~50mmくらいを指すと思いますが、私が使用しているのは50mmで、人間が少し集中して見た時の視野と似ていると言われています。

私が普段一番多用している画角で、ワンちゃんとの距離感も適度ですし、良いなと思った部分だけを切り取って余計なものを写らせないように撮ることも、少し距離を空ければ背景もある程度の範囲を含めることができたり、飼い主様とのショットも撮ることが可能なので非常にバランスが良く、正に標準レンズだなと思える便利さです。

また、背景を大きくぼかそうとすると、広角レンズと比べてここまで背景をぼかすことが可能になります。

標準レンズ(50mm)で撮影

このように撮れば、普段の散歩道の道端でも、どこで撮ったかわからない少し非日常的な写真にすることができます。

必要なところだけ切り取ることも
背景を写すことも可能

望遠レンズは小さな範囲の背景でも絵になる可能性有り

人が苦手なワンちゃんでも距離を空けて撮影することが可能です。
背景がかなり狭く切り取られるようになり、またボケ量が非常に大きくなるので、背景に少し色の要素があるだけでも、背景を色でいっぱい埋めることもできたりします。

中望遠レンズ(135mm)で撮影
望遠レンズ(265mm)で撮影

本当に数十cm四方の綺麗な部分さえ背景に有れば絵になることもあるので、どんな場所でもアイデア次第で化ける可能性があり、撮影ポイントを探しながら歩くのが楽しくなります。

また、ワンちゃんの全身を写す時にも(人の全身を写す時もですが)、ワンちゃんが背景から浮かび上がってくるような、いつもの光景なのにいつもと違って見えてくる凄い力が望遠レンズにはあると思っています。

中望遠レンズ(135mm)で撮影。ゾワッとする立体感

個人的には非常に大好きなレンズなのですが、自身の散歩中だと愛犬との距離が近すぎてドアップの写真ばっかりになってしまうので、標準レンズよりは出番が少なめです。
ですが、自分がワンちゃんと距離を空けて撮影できる時には積極的に持ち出したいと思っています。

ただし、あまりにこのレンズばかりで撮影していると、本当にどこで撮ったかわからなさすぎる写真だらけになってしまう恐れもあるので多少注意が必要です(笑)

これ背景駐車場です(笑) 中望遠レンズ(135mm)で撮影

もう一つの望遠レンズの特徴として、背景がギュッと圧縮されたような写りをするというものがあります。

中望遠レンズ(135mm)で撮影

奥まで続く道がギュッと短くなっている感じがわかるでしょうか?広角レンズと並べると雰囲気の違いがよりわかるかと思います。

超広角レンズ
中望遠レンズ

この効果を利用すれば、肉眼で見るとスカスカな花畑等をギュッと密集させて沢山咲いているように見せることも可能だったりします。

マクロレンズ等でワンちゃんのパーツを大きく写すのも◎

ワンちゃんのドアップやパーツを大きく写した写真も、後から見返したときにワンちゃんの細部まで振り返ることができて、撮っておいて良かったなと思えました。

もうこれは可愛いワンコのパーツ集をご覧ください(笑)

寝ている顔から
鼻先と爪に寄って撮影
ふわふわの尻尾の毛
睫毛までバッチリ
綺麗な瞳
綺麗な鼻

接写に特化したマクロレンズですと、例えば画面いっぱいに瞳を写すくらい大きく撮ることができますが、マクロレンズじゃない場合も高画素のカメラを使用しているので、撮った写真をトリミングすることである程度パーツを大きく切り出して仕上げることも可能です。

ただし、接写は動いている被写体を撮るのは難しいので、数秒くらいだけでもジッとできるワンちゃん向けとなってしまいます。

また、極端にパーツを大きく写さなくても、それを主役とした写真を撮るだけでも味があるかと思います。

散歩中に脚を曲げて寝ている姿
踏みしめている脚
尻尾だけ出ている姿
可愛い尻尾とふわっとした雰囲気がお気に入り
かっこよすぎてお気に入りの1枚!

敢えてブラして動きを出す撮り方も有り(流し撮り)

最後に敢えてブラして動きを強調する撮り方をご紹介します。

少しだけ動きを出した作例。ちなみに15歳!

シャッタースピードを遅くしつつ、ワンちゃんの動きにカメラを合わせて動かしながら撮ることで、顔等は止まりながら、脚や背景が流れているように写すことができます(ただし失敗写真も量産します)。

静止画1枚で動きまで表現できるところが写真の醍醐味の一つだと思っているので、私はとても好きな撮影手法です。

ワンちゃんの走る速さとシャッタースピードの設定次第で、背景を更に流してスピード感を増すことができます。

背景の線がより長くなる
撮影者の周りをグルグル走っている様子
後ろ脚から草が舞っているのも見える
走りながらも表情が良くわかる

若くて元気なワンちゃんは勿論のこと、老犬の動きを強調してあげることができた時は個人的に凄く嬉しかったです。

16歳の疾走!

撮影例の紹介は以上となります。
撮影をご依頼していただくさいのご参考になりましたら幸いです。